読売Bizフォーラム中部講演概要

山中 伸弥  氏 京都大学iPS細胞研究所 教授

増田 明美  氏 スポーツジャーナリスト

開催日2022年5月17日(前年度からの延期分)
会場 ANAクラウンプラザ ホテルグランコート名古屋/16時30分開場、17時講演開始

 京都大学iPS細胞研究所名誉所長の山中伸弥教授と、スポーツジャーナリストの増田明美さんが登壇しました。

 山中さんは、東海地方の企業トップら約80人の参加者を前に「iPS細胞  進捗と今後の展望」をテーマに基調講演を行いました。がんやパーキンソン病などを具体例に、iPS細胞が再生医療や治療薬の開発に活用されていると説明し、「まだまだ志半ばなので、最後までしっかりと患者さんに届けたい」と強調しました。

 山中さんと対談した増田さんは、iPS細胞について「視覚障害者や車いすの選手にもいい影響があるのではないか」と述べ、パラスポーツ選手への効果を期待していました。市民ランナーでもある山中さんは、研究とマラソンには共通点があるとし、「研究は失敗の連続でつらい。マラソンもつらい。だが、(どちらも)頑張ればいつか成功する」と語りました。 

講師プロフィール

  • 山中 伸弥  氏 京都大学iPS細胞研究所 教授

    1962年大阪市生まれ。87年神戸大学医学部卒業。93年大阪市立大学大学院博士課程修了。医学博士。

    米国グラッドストーン研究所博士研究員、奈良先端科学技術大学院大学助教授(現・准教授)等を経て、2004年京都大学教授(現職)。10年京都大学iPS細胞研究所(CiRA)所長、22年同研究所名誉所長。20年より公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団の理事長兼務。

    2012年には成熟した細胞を多能性を持つ細胞へと初期化できることを発見した理由により、ジョン・ガードン博士とノーベル生理学・医学賞を共同受賞。現在はCiRA で新たな生命科学の開拓を目指し基礎研究に取り組んでいる。

  • 増田 明美  氏 スポーツジャーナリスト

    1964年、千葉県いすみ市生まれ。成田高校在学中に長距離種目で次々に日本記録を樹立する。84年のロス五輪に出場のほか、92年に引退するまでの 13年間に日本最高記録12回、世界最高記録2回更新という記録を残す。

    大阪芸術大学教授、日本パラ陸上競技連盟会長。

    2017年にはNHK連続テレビ小説「ひよっこ」の語りを担当。各種マラソンの出場選手の小ネタを各所にちりばめたレース解説には定評がある。