読売ビジネスフォーラム(北海道)講演概要

ニトリの経営スタイル

似鳥 昭雄  氏 ニトリホールディングス代表取締役会長兼CEO

開催日2022年5月18日 (水)
会場 ニューオータニイン札幌(札幌市中央区北2西1)正午~

 ニトリホールディングス会長兼最高経営責任者(CEO)の似鳥昭雄さんは、米小売り大手ウォルマートや米インターネット通販大手アマゾン・ドット・コムが興隆する一方で、米国のチェーンストアでは「すべての業界で寡占化が進み、1、2社しか残らないか、業界自体がなくなった」と指摘。「日本もこれから10~20年の間に同じようになる。企業は業界の垣根がなくなる時代に備える必要がある」とし、企業が成長を続ける上でロマン(志)とビジョン(中長期計画)を持ち、人材育成に力を入れることの重要性など、実現に必要な四つの視点を語った。

 似鳥さんは樺太(現・サハリン)生まれ。1967年に札幌市で「似鳥家具店」を創業。その後、安価で質の高い自社製品を製造・販売するビジネスモデルが消費者の支持を集め、一代で大規模チェーンを築いた。

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、2022年2月期連結決算の売上高は前年同期比13.2%増の8115億円、経常利益は同2.5%増の1418億円。上場以来、32期連続の増収増益は、米小売り大手ウォルマートの記録と並び、世界一という。

 米国のチェーンストアと同様に日本でも今後、業界の垣根がなくなる時代が来ると似鳥さん。講演では、「1972年に米国を視察した際に、欧米並みの住まいの豊かさを日本の人々に提供するという志を持った」と述べ、「30年で100店、1000億円という中長期計画を立てて2003年に達成した」と話し、判断や行動の指針となるロマンとビジョンの重要性を語った。

 ビジョン実現のために心がけていることについては、「現状を否定する」「コスト削減マネジメント」「先客後利」「人材こそが宝」の四つをあげた。特に人材については、「人さえそろえば企業は成長を続けていく。人材育成にかける投資は決してムダにならない」と強調した。

◆講演のポイント

▽現状を否定する

現状維持を考えるようになったら企業は終わり。既存のやり方や考え方を捨て去る勇気が必要。新しいものにチャレンジしてこそ、次のステップに進化できる

▽コスト削減マネジメント

コストを意識しない仕事はただの趣味にすぎない。根性ではなく、数字や理論で語る。絶えず先を予測して準備する

▽先客後利

自分たちがもうけるよりも前にお客様が求めているものは何かを考える。お客様が第一で答えはお客様の中にある

▽人材こそが宝

優秀な人材こそが企業の宝で、人材教育にかける投資は決してむだにならない。人さえ育てばお金もモノも後からついてくる

 

講師プロフィール

  • 似鳥 昭雄  氏 ニトリホールディングス代表取締役会長兼CEO

    1944年、樺太生まれ。北海学園大学経済学部卒業後、1967年、似鳥家具店を札幌で創業。

    1972年、米国視察ツアーに参加。同年、似鳥家具卸センターを設立。社名を1978年ニトリ家具、1986年ニトリに変更。

    2010年持株会社体制へ移行し、社名をニトリホールディングスに変更。2016年2月から現職。