読売・TDBフォーラム北陸:講演概要
ウイルスは、なぜ、人類に牙をむくのか
五箇 公一 氏 国立環境研究所 生物多様性領域 生態リスク評価・対策研究室室長 農学博士
開催日開催日 2021年7月21日(水)(リモート出演)
会場
ホテルニューオータニ高岡/13時開場 13時30分講演開始
高岡市で7月21日に行われた「読売・TDB(帝国データバンク)フォーラム北陸」の講演会では、リモートで参加した国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室長の五箇公一さんが「ウイルスは、なぜ、人類に牙をむくのか」と題して講演しました。
新型コロナウイルスについて、五箇さんは「効率優先の経済の下、人間が動物界を過剰に侵食した結果、人間界に引っ張り出され、絶え間なく変異している」と指摘。そのうえで「ウイルスのすみかである野生の世界と、人間の世界をゾーニング(区分け)して、これ以上荒らさないようにする知恵が求められている」「モデルにするべきは日本人の生活に長く根付いていた自然共生社会。その点で日本は世界で強いリーダーシップを取ることができる」と強調しました。
講師プロフィール
-
五箇 公一 氏 国立環境研究所 生物多様性領域 生態リスク評価・対策研究室室長 農学博士
1990 年、京都大学大学院修士課程修了。同年宇部興産株式会社入社。1996 年、博士号取得。 同年 12 月から国立環境研究所に転じ、 現在は生態リスク評価・対策研究室室長。専門は保全生態学、農薬科学。
著書に『クワガタムシが語る生物多様性』(集英社)、『終わりなき侵略者との闘い~増え続ける外来生物』(小学館)など。国や自治体の政策にかかる多数の委員会および大学の非常勤講師を勤めるとともに、テレビや新聞などマスコミを通じて環境科学の普及に力を入れている。