読売・TDBフォーラム北陸:講演概要
人生100年時代に向けて
〜人生後半期を充実させる〜
坂東 眞理子 氏 昭和女子大学理事長・総長
坂東さんは、50歳代後半で内閣府官僚から昭和女子大学理事に転身した経験を踏まえ、人生後半の働き方について語りました。夫婦共働きが増え、人生の送り方が今後一層多様化するとして、「本当の引退は80歳を過ぎてからだ」と自説を紹介。その上で「年だから、と諦めたら終わってしまう」として、好奇心を持って学ぶ習慣を持つことの大切さを訴えました。
坂東さんは、これまでの日本社会は男性中心で、教育、仕事、引退といった人生の節目を迎える時期が横並びで、「みんな同じような人生だった」と指摘。ただ、近年は男女の勤続年数の差が縮み、働き方が多様になってきたと説明しました。さらに自らの経験を振り返り、転職した際は別業種で苦労したものの、「50歳代後半でエネルギーがある時期に出たのはラッキーだった」と振り返りました。
新型コロナウイルスの感染流行や、ロシアによるウクライナ侵略などが相次ぐ現代を、「一寸先は闇」と表現した坂東さん。先行きが不透明で目標を立てづらいことから、「新しい社会や人生が始まる」と予測しました。そうした中で人生100年時代を生き抜くには、スキルや好奇心が不可欠だとして、起業や大学院での学び直しなどを念頭に「勇気を持って新しい自分にチャレンジすることがとても大事」と語りました。
講師プロフィール
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坂東 眞理子 氏 昭和女子大学理事長・総長
富山県立山町出身。東京大学卒業。
1969年総理府入省。1985年総理府参事官。1994年総理府男女共同参画室長(初代)。1995年埼玉県副知事。1998年ブリスベーン総領事(オーストラリア・女性初の総領事)。2005年昭和女子大学副学長。2007年より同大学学長。2014年同大学理事長。2016年から現職。
2006年に出版した「女性の品格」は300万部を超えるベストセラーとなった。他に「米国きゃりあうーまん事情」「ニューシルバーの誕生」「副知事日記」「親の品格」「凛とした『女性の基礎力』」「70歳のたしなみ」「幸せな人生のつくり方」など著書多数。