読売・TDBフォーラム北陸講演概要

ウィズコロナの経済動向:見通しとトピックス

板橋 史明  氏 日本政策投資銀行北陸支店長

開催日2022年5月30日 (月)
会場 富山県高岡文化ホール(高岡市中川園町13-1)/13時開場 13時30分講演開始

 日本政策投資銀行の板橋史明・北陸支店長(51)は、ロシアのウクライナ侵攻による経済への影響などについて、データを交えながら現状と見通しを語りました。歴史的な円安については、「早期収束は見込みづらく、年度内は(1ドル=)120円台が続く」との見方を示しました。コロナ禍で企業が負債を増やしたことについては、景気改善で削減が見込まれるため、金融システムへの影響は限定的だと指摘しました。

 また、ウィズコロナの時代の経済状況でも、CO2の排出量削減が引き続き重要になると訴えました。

 板橋支店長は、「(原油などの)資源価格の高騰に目がいくが、気候変動の問題自体はなくなっていない。カーボンニュートラルへの動きが巻き戻されることはない」と述べました。

 その上で訴えたのが、CO2排出量。家庭部門の排出量を1人あたりでみると、地域別で北陸が北海道に次いで多いと指摘。冬場の暖房使用量の多さなどによるものだが、1世帯あたりで見れば、一戸建ての家庭が多く、住宅の床面積も広い北陸が最多になるとしました。その上で「電力の脱炭素化を進め、住宅を高断熱のものにすることが、排出量の削減効果を高くする」との考えを示しました。

講師プロフィール

  • 板橋 史明  氏 日本政策投資銀行北陸支店長

    1970年、岐阜県生まれ。1994年3月京都大学法学部卒業。

    同年4月日本開発銀行入行。1999年10月日本政策投資銀行地域企画部所属。2001年4月南九州支店副調査役。2006年4月北海道支店調査役。2008年10月株式会社日本政策投資銀行北海道支店調査役。2017年4月企業金融第2部次長。2018年6月審査部担当部長。2019年6月北陸支店長。