読売・TDBフォーラム北陸:講演概要
野球で学んだ勝つための組織づくり
宮本 和知 氏 巨人軍社長付アドバイザー・女子チームGM兼監督(巨人軍OB)
巨人軍の球団社長付アドバイザー・女子チームGM兼監督を務める宮本和知氏(60)は、日本の学校教育やスポーツ指導について、「(子どもが傷つかないように)長所を伸ばそうとするが、短所には触れない。短所にも向き合わなければ、上は目指せない」「長所を伸ばし、短所に触れないというのは、指導者がストレスを抱える教育方針だ」と指摘しました。
プロを目指す上では、短所を克服させる指導を行うべきだとし、強い組織をつくるためには「ハラスメントを避けながらも、時に厳しく人材を育てていくことが必要だ」との考えを示しました。2022年に読売ジャイアンツ女子チーム初代監督に就任した宮本氏。実際、宮本氏が監督を務める同チームは、去年と今年、全日本女子硬式クラブ野球選手権大会で2連覇を果たしています。
講演後、「なぜ女子野球に注力しているのか」と問われると、「小学生の男児がプロを目指し練習をする横で、ファウルボールを拾うだけの妹を見た。女子にも同じ夢の舞台を用意するべきだと感じた」と答えました。宮本氏は「女子選手がプロとして活躍できる場を、ちゃんと作っていく」と意気込んでいます。
講師プロフィール
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宮本 和知 氏 巨人軍社長付アドバイザー・女子チームGM兼監督(巨人軍OB)
1964年山口県下関市出身。
84年、ロサンゼルス五輪の野球「日本代表」チームで左投手の切り札として優勝に貢献した。
翌85年にドラフト3位でプロ野球巨人軍入団、先発から抑えまでこなし、97年まで通算成績は66勝62敗4セーブ、防御率3.60。89年のペナントレースと日本シリーズ、翌90年のペナントレース優勝の計3回、胴上げ投手も経験した。
引退後、タレントに転身。2019年~2021年まで巨人軍投手チーフコーチとして活躍し、2022年より巨人軍女子野球初代監督に就任。