読売・TDBフォーラム北陸:講演概要
戦国武将に学ぶリーダーの条件
加来 耕三 氏 歴史家・作家
歴史家で作家の加来耕三氏(65)は、寛容だった徳川家康が家臣の信頼を得たことを例に挙げて「部下は、長い目で私たち(経営者)を見ている。リーダーは、寛容であることを示さなければならない」と訴えました。
近現代の日本については、日露戦争の終結(1905年)、第2次世界大戦の終戦(45年)やプラザ合意(85年)など40年間隔で繁栄と衰退を繰り返していると指摘。来年(2025年)は「転換期」となる可能性があるとして「(リーダーは会社や組織を守る)準備をしておくべきだ」と述べました。
加来氏は、豊臣秀吉が数年で天下統一を成し遂げられたのは「豊臣政権がいい加減な組織」だったからだ、と解説。できないことへの線引きをせず、何でもやろうとする山賊や海賊のような組織だったとも表現しました。
一方、現代の経営者は、頭のいい人を採用するので、できることを判断し、組織として硬直していると指摘しました。
徳川家康については、三方ヶ原の戦いで武田信玄に敗れてから、敵の戦い方を学ぶなど「 学(まね)ぶ」を徹底したこと、長男・松平信康を死に追いやった酒井忠次を家臣としてそばに置いていたことなどをあげ、「寛容」であったことが、秀吉などとの違いだったと力説しました。
講師プロフィール
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加来 耕三 氏 歴史家・作家
1958年10月、大阪市内に生まれる。1981年3月、奈良大学文学部史学科を卒業。
学究生活を経て、1984年3月に奈良大学文学部研究員。
現在は大学・企業の講師をつとめながら、歴史家・作家として著作活動をおこなっている。近著に『戦国武将と戦国姫の失敗学』(日経BP)、『教養としての歴史学入門』(ビジネス社)など。
テレビ・ラジオ等の番組監修、出演などの依頼も少なくない。現在、『関口宏の一番新しい中世史』(BS-TBS・毎週土曜ひる12時)に出演中。