読売・TDBフォーラム北陸:講演概要
心で走る~箱根駅伝から世界へ~
瀬古 利彦 氏 (株)ディー・エヌ・エー フェロー
近藤 雄二 氏 読売新聞社 編集委員(コーディネーター)
マラソンランナーとして活躍した瀬古利彦・DeNAフェロー(69)が「心で走る~箱根駅伝から世界へ~」と題して、自身の現役時代などについて講演しました。
野球少年だった幼少期や、恩師・中村清監督と出会った早大時代などを、ユーモアを交えて語った瀬古さん。ロサンゼルス五輪直前のケガや、記録が伸び悩んだ時期を乗り越えたカギについて「いつも前向きで、後ろ向きなことは考えない」ことだとし、自身を「世界の瀬古」に鍛え上げた精神力の一端を披露しました。
瀬古氏は早稲田大時代、箱根駅伝で2年連続区間新を樹立。1984年ロサンゼルス五輪、88年ソウル五輪ではマラソン代表を務めました。国内外のマラソンで15戦10勝を挙げました。
フォーラムでは、瀬古氏の早大コーチ時代の教え子でもある読売新聞の近藤雄二・編集委員との対談形式で進行しました。
瀬古氏はロス五輪直前、オーバーワークで休養を余儀なくされた際のエピソードを披露、同大会の女子マラソン代表・増田明美さんから「調子が悪くて走れません」という相談の電話を受け、「俺も調子悪いよ、という感じだったが、その相談でちょっと安心できた」と振り返り、笑顔をみせました。
「マラソンの神髄」についてのトークでは「継続は力なり、されど惰性の継続は退歩なり」という言葉を取り上げ、単なる継続ではなく「毎日初めて陸上をするような気持ちで取り組めているか」が自身を高めていく要であることを熱く説き、会場をうならせました。
講師プロフィール
-
瀬古 利彦 氏 (株)ディー・エヌ・エー フェロー
三重県生まれ。高校時代から本格的に陸上を始め、早稲田大学進学後、故中村清監督の下、ランナーとしての才能を開花。箱根駅伝では4年連続で「花の2区」を走り、3、4年次では区間新(当時)を獲得するなど、スーパーエースとして活躍。
また、大学時代からマラソンでも活躍し、国内外のマラソンで戦績15戦10勝。圧倒的な強さを誇る。現役引退後は指導者の道に進み、後進の育成に注力。2016年より日本陸連マラソンリーダーとしてマラソングランドチャンピオンシップ(MGC~五輪日本代表選考会)設立に奔走。2019年、2023年のMGCを成功に導いた。
現在、(株)ディー・エヌ・エー フェローとして活躍中。全国のランニングイベントでのゲストとしてマラソンの普及に努めている。
-
近藤 雄二 氏 読売新聞社 編集委員(コーディネーター)