読売・TDBフォーラム北陸:講演概要
信頼される真のエースとは
斎藤 雅樹 氏 巨人軍OB
読売巨人軍でエースとして活躍した斎藤雅樹氏(60)は「仲間から『あいつなら大丈夫だ』と頼られるには、重要な場面で結果を残すことだ」と述べ、現役時代の自身の投球については「満塁になっても、逃げず果敢に攻めた」と振り返りました。
また、信頼を勝ち取るためには、「普段の練習から、誠実な態度で取り組み、それを周囲にみせることも大事だ」と強調しました。
斎藤氏は、現役時代の1989年に打ち立てた11試合連続完投勝利のプロ野球日本記録について、その舞台裏をユーモアたっぷりに紹介し、会場を沸かせました。
斎藤氏は連続11試合の1試合目、「失点して交代が頭によぎった」が、当時の藤田元司監督から「最後まで責任を取れ」としったされ、気持ちを持ち直した逸話を明かしました。そのうえで「現代の野球では、投手は分業制で、完投勝利の記録は更新されないだろう」と笑顔をみせました。
日本プロ野球史上唯一の通算「400勝投手」を達成した金田正一投手(1933~2019年)に触れ、「記録を樹立するには、体が強いことが大切だ」としました。斎藤氏は「自分も強い肩や肘に恵まれ、ケガも少なかったことで、その安定感を買われた」と振り返っていました。
講師プロフィール
-
斎藤 雅樹 氏 巨人軍OB
1983年にドラフト1位で巨人入団。89年に、11試合連続完投勝利のプロ野球記録、20勝7敗、防御率1.62で最多勝利、最優秀防御率の2冠を獲得。沢村賞にも選ばれ、チームのリーグ優勝、日本一に貢献した。
90年にも20勝をあげMVPを獲得。94年の10.8決戦では勝利投手となり、95、96年には2年連続沢村賞に選ばれるなど、読売巨人軍の6度のリーグ優勝と3度の日本シリーズ優勝に貢献した「平成の大エース」。
シーズン最多完封7回はNPBの最多記録で、最多勝利5回、最高勝率3回、ベストナイン5回受賞のほか史上4人目の沢村栄治賞3回受賞も達成した。
現役引退後は、ジャイアンツの一軍投手コーチや二軍監督などを歴任し、2016年には第1回WBSC U-23ワールドカップの日本代表監督を務めた。同年に野球殿堂入り。