読売広論セミナー大阪:講演概要
決断力を磨く
羽生 善治 氏 将棋棋士
開催日2022年8月29日 (月)
会場
リーガロイヤルホテル(大阪市北区中之島5-3-68)/午後4時30分開場 午後5時講演開始
将棋の羽生善治九段が8月29日、「決断力を磨く」をテーマに講演しました。トップ棋士の思考法や、よりよい決断の方法などを語りました。
羽生九段は1996年に当時の7タイトルを独占する「七冠」を史上初めて達成するなど、歴代最多のタイトル計99期を獲得しています。
講演では、棋士が盤上でどの手を指すかを決める過程について、選択肢を絞る直感、読み、大局観の三つを使うとし、「直感は一瞬のことだが、今までやってきたことの集大成として得られる」「大局観は現状を総括し、これからの方向性を考えるということだ」と説明しました。
よい手を探すために深く集中することを「『ゾーンに入る』という状態。子どもが何かに集中して一生懸命に遊ぶのがそれだと思う。集中を長く保てるほど、うまくなれると思う」と語りました。
質疑応答で、日々のよりよい決断に向けた心がけを問われ、羽生九段は「暮らしの中で、まだどうするかを決めていない懸案事項を可能な限り少なくしておくことが大事だと思う」と答えました。
講師プロフィール
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羽生 善治 氏 将棋棋士
埼玉県出身。51歳。1985年、史上3人目の中学生棋士としてプロ入りした。
89年の「竜王」を手始めに、歴代最多の通算99期のタイトルを獲得した。96年に将棋界で初めて7大タイトルを独占する「七冠」を達成した。2018年に国民栄誉賞を受賞した。