読売広論セミナー大阪:講演概要
国際情勢と日本
杉山 晋輔 氏 元駐米大使
開催日2023年11月14日 (火)
会場
リーガロイヤルホテル(大阪市北区中之島5-3-68)/17時〜(16時30分開場)
元駐米大使の杉山晋輔氏が11月14日、「国際情勢と日本」をテーマに講演しました。杉山氏は「日本は自信を持って、『積極的平和主義』の旗の下で世界に関わっていくべきだ」と訴えました。
杉山氏は1977年に外務省に入省。アジア大洋州局長や外務次官を歴任し、2018〜21年に駐米大使を務めました。
ロシアのウクライナ侵略に加え、中東ではイスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘が起き、国際情勢は緊迫度を増しています。杉山氏は東アジアでも北朝鮮や台湾を巡ってリスクが高まっているとし、「米国にとって『3正面』に同時に対応するのは軍事的、心理的、経済的に負担が大きい。日本は最大限の力で東アジア方面の紛争を抑止する必要がある」と指摘しました。
杉山氏は外務省で中東問題を担当した際のエピソードも披露し、パレスチナ自治区でイスラエルとパレスチナ、ヨルダンとともに、農産品の加工団地をつくる計画を進めた経験を紹介。「日本は地道な努力をしており、感謝されている。こうした努力はもっとアピールしたほうがいい」と強調しました。
国際的な緊張が高まる中、日本の外交のあり方について、「日本は国際社会から大きな声を上げてほしいと思われている。そうすれば国際社会の議論をリードできるし、大きな旗を立てられる」と述べました。
講師プロフィール
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杉山 晋輔 氏 元駐米大使
愛知県出身。早稲田大法学部を中退し、1977年外務省入省。
条約課長、アジア大洋州局長、外務審議官、次官などを経て、2018~21年に駐米大使。
トランプ政権下のワシントンで緊密な人脈を築き、日米関係を強固なものとした。69歳