読売広論セミナー大阪:講演概要
経済安全保障と企業のサイバーセキュリティ
松原 実穂子 氏 NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト
開催日2023年4月18日 (火)
会場
リーガロイヤルホテル(大阪市北区中之島5-3-68)/17時〜(16時30分開場)
NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジストの松原実穗子氏が4月18日、「経済安全保障と企業のサイバーセキュリティ」をテーマに講演しました。
松原氏は防衛省に勤務後、米インテルなどを経てNTTに移り、サイバーセキュリティーの情報発信や提言に取り組んでいます。
松原氏は、病院や工場などが標的となっているサイバー犯罪について、「組織化が進み、ますます巧妙な手口を使うようになっている」とし、世界全体のGDP(国内総生産)の1割が失われるほどの被害が出ていると指摘しました。その上で「基本的な対策を徹底していれば防げる事例も多い」と述べ、取引先も含めた対応の必要性を強調しました。
一方、コロナ禍によるリモートワークといった働き方の変化や離職の増加などで、企業内部からの情報流出も増加していると指摘。「全社員が自分ごととして捉えられるような機会を作るなど社内連携を強め、目に見えない敵との戦いに備える必要がある」と訴えました。
講師プロフィール
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松原 実穂子 氏 NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト
早稲田大を卒業後、防衛省で勤務。米国留学を経て、日立システムズ、インテルなどで勤務した。
NTTに移り、サイバーセキュリティに関する情報発信と提言に努める。
著書に「サイバーセキュリティ 組織を脅威から守る戦略・人材・インテリジェンス」(新潮社、大川出版賞受賞。