読売広論セミナー大阪:講演概要
人口減少といかに向き合うか~「消滅可能性都市」公表から10年
増田 寬也 氏 日本郵政(株)取締役兼代表執行役社長
開催日2024年9月18日 (水)
会場
リーガロイヤルホテル
元総務相で日本郵政社長の増田寛也氏は9月18日、「人口減少といかに向き合うか~『消滅可能性都市』公表から10年」と題して講演しました。
「どのようにダウンサイジング(規模縮小)して適応策を取っていくか、国民全員が考えないといけない」と述べました。
増田氏が座長を務めた有識者会議「日本創成会議」は2014年、全国の896自治体について、若年女性が大幅に減り、将来的に「消滅可能性が高い」と公表。こうした都市は最新の推計でも744自治体に上ります。
講演では、深刻化する少子化への対策として、若年世代の所得向上や雇用改善を挙げ、「経済的な不安を除去していくことが大事だ」と強調しました。
地方で転出者が転入者を上回る「社会減」が進む中、各自治体が個別に移住者を増やす政策を展開し、人口の奪い合いや都市と地方の対立が起きていると指摘。雇用創出や地域の魅力づくりに向け、「広域連携を進めるべきだ」と話しました。
地方の人口減対策として、都市と地方に生活拠点を持つ「二地域居住」を促進する改正広域的地域活性化基盤整備法が今年5月に国会で成立しました。増田氏は「二地域居住を促せば、地方を応援する気持ちを持つ人が移り、活力につながる」と提言しました。
講師プロフィール
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増田 寬也 氏 日本郵政(株)取締役兼代表執行役社長
東京都出身、東京大学法学部卒。
建設省(現国土交通省)を経て、1995年から岩手県知事を3期務めた。
退任後の2007年8月に第1次安倍改造内閣で民間から総務相で初入閣。
20年1月から社員約40万人を擁する日本郵政のかじ取りを担う。