読売広論セミナー大阪講演概要

修羅場る経営

井上 慎一  氏 全日本空輸株式会社 代表取締役社長

開催日2024年7月4日 (木)
会場 リーガロイヤルホテル

 全日本空輪の井上慎一社長が7月4日、「修羅場(しゅらば)る経営」をテーマに講演しました。

 井上氏は関西空港を拠点とする格安航空会社「ピーチ・アビエーション」の初代CEO(最高経営責任者)を経て、2022年から全日空の社長を務めています。

 井上氏は講演で、ピーチを設立した経験を振り返り「航空会社らしくない、前例にとらわれない経営で事業を軌道に乗せた」と強調しました。具体的には、宣伝にソーシャルメディアを活用したり、機内で自動車を販売したりするなど、あの手この手で収益拡大を図ったことを紹介しました。

 その上で「関西はチャレンジを奨励する文化がある。新しいことを面白がる人間が多い」と述べ、進取を尊ぶ関西の気風がピーチの成長を支えたとの見方を示しました。

 全日空はコロナ禍で、グループ全体の旅客数が一時、ピークの3割の水準に落ち込みました。雰囲気が沈んだ社内に「どうせやるなら楽しくやろう」と呼びかけたところ、人気の超大型航空機「A380」での遊覧飛行など、斬新な提案につながったといい「ピーチでの経験が全日空でも生きた」などと振り返りました。

 航空業界は深刻な人手不足に苦しんでいます。全日空も人材確保が大きな課題となっていますが「外部から人材を招き、志のある方々に来てもらっている」と述べ、採用の広がりへの手応えを語っていました。

講師プロフィール

  • 井上 慎一  氏 全日本空輸株式会社 代表取締役社長

    神奈川県生まれ。1982年早稲田大学卒業後、 三菱重工業株式会社勤務を経て、90年、全日本空輸株式会社に入社。

    北京支店総務ディレクター、アジア戦略室長、LCC共同事業準備室長を歴任。 2011年、日本初のLCCとなったPeach Aviation株式会社 代表取締役CEOに就任。

    在任中はコスト削減を徹底しながらブランドの認知度を高め、経営を軌道に乗せ、19年には同じANAHD傘下のLCCバニラ・エアと統合。成田と関空の2拠点体制を作った。

    20年、全日本空輸株式会社代表取締役専務執行役員に就任し、22年4月より現職。