読売Bizフォーラム東北講演要旨

私の経営観について

布施 孝之  氏 キリンビール社長

開催日2021年1月22日 (金)
会場 ホテルメトロポリタン仙台 4階「千代(せんだい)」

 2021年1月22日に開かれた「読売Bizフォーラム東北」で、「私の経営観について」と題して講演したキリンビールの布施孝之社長(60)は、今のような逆境にこそ、長期的な視点を持つことの重要性を強調しました。

 布施社長は自身の経歴を振り返り、経営者としての考えに影響を与えた3つの節目を紹介しました。

 最初は2008年の大阪支社長赴任。当時は「問題支社」とのレッテルが貼られ、社員たちの間に「会社の方針が悪い」などと、他人のせいにする組織文化が蔓延していたといいます。布施社長は営業改革に着手。メインブランドの「一番搾り」の営業に絞る戦略を採り、社内で賞を受けました。

 2つ目は10年、グループ会社の小岩井乳業の社長就任。リストラを苦しみながら敢行し、他社と製法が違うヨーグルトに経営資源を集中させました。

 15年のキリンビール社長就任が3つ目。主要ブランドへの投資が弱いため、「勝つ領域、やらない領域」を明確化。その結果、「一番搾り」は3年連続販売増を果たし、第3のビール「本麒麟」の好調もあり、昨年のシェアは11年ぶりにアサヒビールを抜いて1位に立ちました。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、飲食環境は厳しいですが、布施社長は「有事の時にこそ、経営者が何を大切にしているかが見える。こういう時だからこそ、志を社員に繰り返し伝えることが大事だ」と語りました。

講師プロフィール

  • 布施 孝之  氏 キリンビール社長

     1960年千葉県生まれ。1982年早稲田大学商学部卒業。同年キリンビール入社。

     首都圏統括本部首都圏営業企画部長を経て、2008年近畿圏統括本部大阪支社長に就き、不振続きの同支社を立て直した。

     2010年小岩井乳業株式会社代表取締役社長を経て、2014年キリンビールマーケティング代表取締役社長。2015年1月よりキリンビール株式会社 代表取締役社長に就任。