読売Bizフォーラム東北:講演概要
高橋 由伸 氏 元読売巨人軍監督
14日に仙台国際ホテル(仙台市青葉区)で開かれた「読売Biz(ビズ)フォーラム東北」(一般社団法人「読売調査研究機構」主催)では、「経営者と考えるチームビルドとリーダーシップ」をテーマに、プロ野球・読売巨人軍元監督の高橋由伸さん(50)が講演し、選手起用法について、「結果が残りやすい環境作り」を意識したと説明した。
高橋さんは巨人を逆指名し、1998年にドラフト1位で入団。第66代4番打者として活躍し、引退翌年の2016年からは監督として3年間指揮を執った。高橋さんは、自身が4番打者に据えた岡本和真選手などを引き合いに出しながら、自信を持たせるような起用を心がけたという。
例えば、若い岡本選手が不振の時は、相手の先発がエースの場合は、あえてスタメンで使わず終盤に起用。結果を残せるよう差配しながら実戦で使い続けたという。その後の岡本選手の活躍に触れ、「不動の4番になった。間違いじゃなかった」と振り返った。
コーチとの関係性については「専門分野は任せ、選手に指導する時もコーチを飛び越えて行うことはなかった」と組織作りを語った。
座右の銘は「置かれた場所で咲きなさい」。与えられた仕事を期待通りやりきることを一番に考えていたという。レギュラーを外れ、代打で出ることが増えた自身の選手キャリア終盤も「ベンチで野球を見ることが今は与えられた仕事なんだ」と思っていたと振り返り、「控えでもやるべきことをやったから、次は監督というポジションを与えられた」と述べた。
セ・リーグ3位に終わった今年の巨人の成績については主力の離脱などもあり、「つらさ難しさは痛いほど分かる」とした一方、「ホームランなど個々の力をつけることが、チームプレーでも大事だ」とエールを送った。
◆G党参加者聴き入る
野球界で長年活躍する高橋さんの話に約80人の参加者も興味深そうに聴き入った。
第一生命保険仙台総合支社の長野耕己・営業推進統括部長は大の巨人ファンだといい「かっこよかった。監督時代、色々な考えを持ちながら采配されていたことが分かった」と満足そうに話した。日本製紙東北営業支社の長島俊太郎・支社長は「会場全体を包み込む影響力を感じた。社員の力を引き出すことが重要だと勉強になった」と話していた。
講師プロフィール
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高橋 由伸 氏 元読売巨人軍監督
1975年、千葉県生まれ。97年11月のドラフトで読売巨人軍を逆指名して、翌年、慶應義塾大学から1位で入団。入団直後から「MKT砲」と称され、長嶋茂雄監督のもと松井秀喜、清原和博とともに巨人打線の中軸を担い、2000年にはリーグ優勝・日本一に貢献。12年8月に史上37人目となる300本塁打を達成。15年、現役を引退。通算打率は2割9分1厘。ゴールデングラブ賞7回。16年、原辰徳監督退任を受け、監督に就任。18年、監督を退任 。19年、読売巨人軍球団特別顧問に就任。24年に読売新聞スポーツアドバイザーに就任。