読売Bizフォーラム東京
:講演要旨
海を渡った「アダム・スミスの蔵書」~西欧思想の伝播と日本
野原慎司 氏東京大学大学院経済学研究科 准教授
矢野正隆 氏東京大学大学院経済学研究科 助教
-
「東京大学経済学図書館創設120年」「アダム・スミス文庫寄贈100年」「東京大学経済学部資料室創設110年」の記念事業として、東京大学東アジア藝文書院、東京大学経済学図書館・経済学部資料室、読売調査研究機構の共催で開催するオンライン連続講座「知の継承(バトン)」の第2回「海を渡った『アダム・スミスの蔵書』~西欧思想の伝播と日本」が2月7日に開催されました。
東京大学大学院経済学研究科准教授の野原慎司によるプレゼンテーション「旧蔵書から見るアダム・スミスの知的世界」に続き、野原氏と東京大学大学院経済学研究科助教の矢野正隆氏によるトークセッション「近代における西欧思想の伝播の歴史~アダム・スミス文庫が私たちに伝えるもの」が行われ、1920年の新渡戸稲造の購入に始まる「アダム・スミス文庫」が歩んできた100年の歴史やオリジナルのモノ資料の価値とは、などについて議論が交わされました。
講師プロフィール
-
野原慎司 氏 東京大学大学院経済学研究科 准教授
京都大学大学院経済学研究科修了。経済学博士(京都大学)
著作Commerce and Strangers in Adam Smith (Spriner, 2018)、『戦後経済学史の群像:日本資本主義はいかに捉えられたか』(白水社、2020年)、『アダム・スミスの近代性の根源―市場はなぜ見出されたのか』(京都大学学術出版会、2013年)その他、Adam Smith Review等に掲載論文あり。
-
矢野正隆 氏 東京大学大学院経済学研究科 助教
2006年より現職。主に日本の近代以降に生成した社会科学に関係する文献や一次資料の収集・整理・公開・保存の実務、およびこれら実務の裏づけになる知識の取得、研究に従事しています。本講座に関連する著作としては、「資料保存」(『図書館界』70(1),2018)、「メディアの保存に関する試論:デジタル・メディアを手掛かりとして」(『情報の科学と技術』66(4),2016)などがあります。