オンラインセミナー
講演要旨

デジタル・プラットフォームの法規制
-検索エンジン市場独占とスマホソフトウェア競争促進法-

中島 美香 氏中央大学国際情報学部 教授

小林 泰明 読売新聞東京本社編集局経済部 記者

開催日2026年2月12日 (木)
  •  中央大学×大手町アカデミア「デジタル・プラットフォームの法規制-検索エンジン市場独占とスマホソフトウェア競争促進法-」が2月12日にオンライン講座で開催されました。

     

     中央大学国際情報学部の中島美香(なかしま みか)教授が講演で、主に検索エンジン市場の独占に関する問題について、2025年12月に全面施行されたスマホソフトウェア競争促進法や、欧米のデジタルプラットフォーム規制など、様々な観点から解説しました。

     

     中島先生は、デジタル・プラットフォームが社会に及ぼす影響力が注目を集めるようになっていることから、「グーグル検索は、世界の検索サービス市場において、90%に及ぶ市場シェアを有していて、そのグーグル検索独占事件について、日米欧でそれぞれ行政命令・司法判断が下されている」と現状を説明しました。
     独占状態の問題点としては、私たちの選択肢がなくなること、価格を含めたサービスや品質の低下の可能性などを挙げ、競争の必要性を訴えました。

     

     どのような情報を流通させるか、誰が市場に参加できるか― を一部の大手デジタル・プラットフォームが、決定可能となっている状況の中、独占禁止法・競争法の果たす役割が大きくなっていると指摘。
     そのうえで、スマホソフトウェア競争促進法が導入する事前規制制度は、競争促進の効果を発揮することが期待でき、巨大企業の基幹事業に関わる競争法的規律として、この事前規制をしっかり機能させるべきだと述べました。

     

     続いてのトークセッションでは、読売新聞経済部の小林泰明(こばやし やすあき)記者と検索市場独占問題について論議しました。「グーグルはどのようにお金を稼いでいるのか?」「グーグルは巨額のお金をアップルに払ってiPhoneにグーグル検索を初期設定してもらっているの?」「生成AIの登場によってデジタル市場の競争はどうなるのか?」といった論点ごとに中島先生がわかりやすく解説していきました。

     

     視聴者からは、「デジタル・プラットフォームは米中企業が独占状態の中、日本企業が一定のシェアを獲得することは可能ですか?」「アンドロイドのスマホにも、検索エンジンの選択肢はあるの?」など、多くの質問が寄せられました。

講師プロフィール

  • 中島 美香  氏 中央大学国際情報学部 教授

    ㈱情報通信総合研究所主任研究員を経て、
    2019年から中央大国際情報学部准教授、2025年4月から現職。
    総務省情報通信審議会専門委員なども務める。
    情報法(競争政策)、デジタル・プラットフォーム規制が専門。
    主要論文として、
    「米国グーグル反トラスト法裁判2024年8月判決とデジタル・プラットフォーム規制の意義」
    SOFTIC Law Review 2巻1号15頁(2025年)など。

  • 小林 泰明   読売新聞東京本社編集局経済部 記者

    2005年、読売新聞社入社。

    水戸支局を経て、東京本社経済部でエネルギー、通信、ITなどを担当。

    2015年~16年、米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題大学院(SAIS)客員研究員。

    2019年~22年、ニューヨーク特派員として米国で「GAFA」などを取材。

    現在は東京本社経済部でAIなどデジタル全般と政府の動向を取材する。

    主な著作に「国家は巨大ITに勝てるのか」、「死刑のための殺人」。