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:講演概要
第11回 日文研×読売Bizフォーラム東京 小さな島々・パラオと創る持続可能な未来
安井 眞奈美 氏 国際日本文化研究センター 教授
三田 貴 氏 京都産業大学 教授
文化人類学をご専門とする国際日本文化研究センター教授・安井眞奈美氏は、1995年に初めてパラオ共和国を訪れて以来、第一子を出産した女性を祝う盛大な儀礼やダンスに魅了され、パラオに通ってきました。また、4年に一度の太平洋芸術文化祭に、パラオ代表団のメディア・スタッフとして関わったり、大阪・関西万博2025の展示に協力したり、長年にわたりパラオの人々と交流を続けています。
その経験を踏まえ、安井氏がパラオの魅力と未来に向けての取り組みを、楽しくわかりやすくお話しします。また、講座の後半には、パラオ在住経験のある京都産業大学教授・三田貴氏との対談も予定しています。
講師プロフィール
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安井 眞奈美 氏 国際日本文化研究センター 教授
西太平洋の小さな島々からなるパラオ共和国は、人口約1万7千人の島嶼国です。1994年10月1日に独立を果たし、昨年独立30周年を迎えました。2025年の大阪・関西万博では、パラオの力強いダンスが多くの人々を魅了しました。また、スランゲル・S・ウィップス・ジュニア パラオ大統領は、日本がパラオを統治していた歴史を踏まえ、これからの関係について演説しています。現在パラオは、ダイビングなどの観光に力を入れつつも、美しい海に囲まれた島々を守る「パラオ誓約」を導入しています。パラオに入国する人は誰でも必ず、パスポートに押印された、自然を守るパラオ誓約にサインするようになっています。またパラオの文化は、母から娘へと地位や財産を継承する母系社会のしくみによって維持されてきました。パラオは、時代に応じて伝統的な文化を変容させながら、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。発表では、そんなパラオの魅力についてご紹介します。
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三田 貴 氏 京都産業大学 教授
パラオは、小さな海洋国としての脆弱性を抱えながらも、環境保全や資源管理、貧困のない社会構造、ジェンダーのあり方など、世界が学びうる先進的な実践を積み重ねてきました。40年以上関わってきた経験から、この国が歴史と伝統を踏まえつつ常に未来を見据えて歩んできた姿勢に強い魅力を感じています。こうした特徴を国際社会の文脈から捉え、日本との関係や高まる期待も踏まえながら、共に創りうる未来について考えていきます。