YIES(読売国際経済懇話会):講演概要
[第386回講演会] 経済成長と安全保障のためのクアッドの課題
スコット・モリソン 氏 第30代オーストラリア首相
※当日はモリソン氏による講演に続いて、 北村滋 YIES理事長 がモデレーターを務め、対談が行われました。
読売国際経済懇話会(YIES)は9月26日、オーストラリアのスコット・モリソン前首相を招き、講演会を開催した。
首相時代、中国に強硬な姿勢で臨んだモリソン氏は、覇権主義的な動きを強める中国などに対する日米豪印の枠組み「Quad(クアッド)」の重要性を強調し、「4か国の首脳が地域の安全保障や経済的課題について定期的に対話し、評価することに価値がある」と語った。
一方で、経済安全保障の分野ではクアッドの連携不足も指摘。中国が投資を進めるスリランカやカンボジアの例を挙げ、「クアッド諸国がこれら戦略的地域にしっかり関与するか、ライバルに明け渡すかのどちらかになる」と述べた。
講演に続き、モリソン氏はYIES理事長の北村滋・前国家安全保障局長と対談。日米の首脳の交代が相次ぐことの影響を北村氏から問われ、「米国は、誰が大統領でも外交の基本は変わらない。日本も変わらないだろう。一層リーダーシップを発揮してほしい」と期待感を示した。
講演会には企業経営者や国大使ら100人以上が出席。インド太平洋の安全保障に当局者として尽力してきた2人の対談に聞き入っていた。
講師プロフィール
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スコット・モリソン 氏 第30代オーストラリア首相
1968年 シドニー生まれ
1990年 豪州シドニーのニューサウスウェールズ⼤学を卒業
2013年から移⺠・国境保護⼤⾂、2014年から社会福祉⼤⾂、2015年から2018年まで連邦財務⼤⾂を務める
2018年8⽉に第30代豪州⾸相に就任、豪州、英国、⽶国の3か国による防衛協定「AUKUS」の創⽴・⽴役者となるほか、インドのモディ⾸相、⽇本の菅・岸⽥両⾸相、⽶国のバイデン⼤統領とともにQUAD⾸脳対話の創設メンバーとなる
また 2022年には⽇本との史上初となる「⽇豪円滑化協定(RAA)」を締結
2020年 ⽶国のトランプ前⼤統領よりレジヨン・オブ・メリット勲章を受章
現在は⽶国の戦略アドバイザリー会社、アメリカン・グローバル・ストラテジーズの⾮常勤副会⻑ならびに⾃⾝のコンサルティング会社、トリギンタ・アドバイザリーの代表を務めている