YIES(読売国際経済懇話会):講演概要
[第388回講演会] 甦れ日本! 世界最先端半導体への挑戦
東 哲郎 氏 Rapidus 株式会社 代表取締役会長
読売国際経済懇話会(YIES)は3月10日、講演会を開催した。講師は半導体メーカー、Rapidus(ラピダス)の東哲郎会長。同社が目指す先端半導体の国産化について「日本の産業全体を考えた場合、死活的に重要だ」と訴えた。
半導体は回路の線幅が細いほど性能が高まる。同社は回路線幅2ナノ・メートル(ナノは10億分の1)の製品の開発を目指しており、4月に北海道千歳市の工場で試作品の生産を始める。東氏は「工場は東京ドームの1.23倍で、非常に大きい。(建材など)鉄の使用量は、東京スカイツリーの1.14倍にもなる」と紹介。先端半導体については「2027年の最初には量産を開始できるようにしたい」と述べた。「経済安全保障、地政学的なリスクもあり、ラピダスを何としても成功させたい」と意欲を示した。
半導体の分業生産が世界的に進むなか、ラピダスはこうした工程を統合することで半導体製造にかかる時間を短くする。「基短い時間で作った製品の評価を何回も繰り返すことで、開発をものすごく早くすることができると考えている。ここが我々の生命線となり、工場の差別化につながる」と戦略を語った。
国の後押しを受け、注目度の高い半導体メーカーのトップが、4月の試作ラインの稼働を目前に控えた時期で講演するとあって、会員や各国大使館員が100人の参加者は熱心に耳を傾けた。
講師プロフィール
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東 哲郎 氏 Rapidus 株式会社 代表取締役会長
1949年8月28日生まれ 東京都出身
1977年 株式会社東京エレクトロン研究所(現東京エレクトロン株式会社)入社
1983年 米国駐在、モトローラ営業部長、拡散システム部長、SPE2事業部長を経て 1990年に取締役
1996年に46歳で代表取締役社長に就任
2003年 代表取締役会長
2013年 代表取締役社長を兼務
2016年より3年間相談役を務め、2019年同社役職を引退
2022年8月 Rapidus株式会社を設立し、取締役会長として現在に至る<公職・その他>
2023年より技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)理事長(現職)
2004~2005年国際半導体製造装置材料協会(SEMI)会長、2010年より名誉役員(現職)
2005~2011年一般社団法人 日本半導体製造装置協会(SEAJ)会長、2016年より顧問(現職)
2020年春 旭日重光章を受賞
2021年4月 日本経済新聞社「私の履歴書」を連載<学歴>
1973年 国際基督教大学教養学部社会科学科
1977年 東京都立大学大学院社会科学研究科修士課程